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thirdShoes./tipToe.

‪小さい頃は売れてるシングル曲をテレビで聴くぐらいだったが、中学生の頃にアジカン君繋ファイブエムを聴いて、これがアルバムという1つの作品の素晴らしさなのかという事に気付かされたのが音楽にのめり込むきっかけだったんだけど、tipToe.のthirdShoes.を聴いて久しぶりにその感覚を味わった。‬


‪4曲入りだからシングルという扱いになるのだろうけどアルバムと言っても過言ではないぐらい作品としての完成度が素晴らしい。【夜】というテーマはあれど4曲とも毛色が違っていて全てが新しいtipToe.で、かと言ってバラバラな訳では無く、4つの違う夜が1つの作品として綺麗に纏まってる。‬


‪これは本当に盤として、作品として世に出されて然るべきもので、アイドルとかアーティストとかそんな括りはどうでも良くて、世のミュージシャンはこれぐらいちゃんとした作品を仕上げないと、これからの時代、盤として世に出してはいけないと考えさせられる程に素晴らしい。‬


‪完璧じゃないモノの中にも素晴らしい物があるのも十分に理解してるつもりだけど、それでも本当にここまでちゃんとしてるものがまだある、しかもメジャーじゃなくてインディーズであるということが凄い。‬


‪tipToe.も完璧なのかと言われるとまだ完璧では無いと思う。でも曲にしろメンバーにしろポテンシャルが凄くあるからまだまだ良くなるはずと期待してしまうのが惹かれる所なんだと思う。‬メジャーデビューして曲調が変わったり過去の曲がリメイクされたりするとガッカリする事しかないのだが、tipToe.は今の製作陣がいれば純粋に更にお金をかけてクオリティを上げることが出来ると思う。


‪magic hourの曲とTokyo Sentimentalの曲とthirdShoes.の曲でそれぞれ違うtipToe.がいるんだけど、今回の新譜でもうtipToe.なんでも出来るじゃんって感じてしまったら今後にも期待しか無いですよ。本当に素晴らしい。まだ100%では無いと思うけど150%ぐらいまでいけると期待出来るグループはそういない。‬


‪シングルなのに1曲目がドビュッシーサンプリングの壮大なピアノ曲「blue moon.」から始まる所に自信すら感じる。普通のシングルなら4曲目のキャッチーな直球アイドルソングの「星降る夜、君とダンスを」を一発目に持ってきたいけど、それをやらないtipToe.‬ これがtipToe. これもtipToe.だという提示。‬


‪壮大な「blue moon.」でもう2,3曲聞いたかのような印象を受けた後にすかさずポエトリーリーディングの「砂糖の夜に」‬。 ‪アルバムの中盤によくある違う方向に展開させる為の導入のようなものだろうか。だがしかしトラックがここも素晴らしい。ただのポエトリーリーディングではなく【曲】としてちゃんと成り立っている。‬


その後にリード曲と言っても過言ではない「ナイトウォーク」。この曲の凄い所はメロディはBメロが1度出てくるだけで曲の殆どをAメロとサビだけというシンプルなメロディの組み合わせをアレンジで展開させて曲を完成させている所。最早3分間の魔法。シンプルなメロディと言う最高の素材を何パターンにも展開させるアレンジという最高の味付け。天晴。


最後の曲はこれまでの3曲とは真逆と言っていい程、キャッチーなエレクトロポップの新境地「星降る夜、君とダンスを」。 明るい曲調なのに、何故かこの曲が1番卑屈さを感じてしまうのは私だけでしょうか。まだ何処か垢抜けて無い感じ、だけど必死に次に進もうとしてる、という印象を受けました。決して曲が良くないとか、スキルが足りないという事ではなく、もっと何か根っこの部分というか芯の部分というか。誰のものかはわかりませんが。いつか垢抜けてもっと上のステージへtipToe.が登っていくようなイメージなのかもしれません。


最初はどれがどの時間帯の夜だろう、これが1番深い時間?これは明け方?と思いながら聴いてたけど途中で、これは同じ街に住む4人の主人公の同じ夜の物語、というプロデューサーの言葉を思い出して、スっと落ち着きました。素晴らしい。それぞれの生活があり、それぞれの人生があり、それぞれの物語があるのがこの世界。それを感じさせてくれる作品。


このthirdShoes.で間違いなくtipToe.はまた1つ上の段階に登ったはず。まだまだまだまだ楽しみです。

僕らはtipToe.という映画を見ているようだ。